ネオワイズ・ラプソディー

梅雨まっただ中、天文ファンを賑わせていたネオワイズ彗星。皆さん、ご覧になりましたか?

私は2回目のチャレンジでようやく見ることができました!

8ヵ月のソラ子(仮)を抱えて子育てまっただ中の私。早朝であれば、夫氏に娘を任せて(一緒に寝ていてもらって)見に行くことができる!とそのチャンスを虎視眈々と狙っていましたが、九州のお天気は雨・雨・雨。全く晴れない空と天気予報を虚しく眺めてはため息の連続。

でも天気に左右されるのは、天文を趣味とする者の宿命。嘆いているよりも、見えた人がアップしてくれる写真や感想でワクワクしよう!

そう思った私は、時間があるとTwitterやブログでネオワイズチェック。各地からの写真やリポートに「なんてキレイなんだろう」とうっとりさせられ、曇り空の下でも幸せなひとときを過ごせました。

でもでもでも…やっぱりチャンスがあるなら見たい!

そう思って悶々と過ごしていた7月17日の朝。出勤前の夫氏が「今夜早く帰れるから、彗星見に行く?」と言ってくれたのです!

うまくいかないネオワイズチャレンジ

「ほんとに!?」飛び上がらんばかりに喜んだ私。その頃のネオワイズが見えやすいのは20時以降。ただその時間帯はちょうど娘の寝かしつけタイムなので、はじめから諦めていました。でも夫氏のほうから声をかけてくれたこのワンチャンスを逃したくない!と、その日は朝から空を眺めては「雲よ来るな…」と念を送り、1時間おきにレーダーで雲チェック。そして迎えた夕方、外出してはみたものの、よりによって20時前から雲がもくもく。やはり私ごときの念では足りなかったのか、あっという間に空が真っ白になってしまったのです。

落胆する私。コアラ状態のまま懐で眠るソラ子。そんな私たちを見て、同じようにネオワイズを探していた方が、前日に見えた写真をそっと見せてくれました。その優しさにホロリとなりながら、失意の帰宅。ああ…もう会えないのか、ネオワイズよ…

ネオワイズに会いたい理由は2つ

私がネオワイズに会いたいと思う理由は2つあります。

1つ目は「尾を引く彗星を見たことがない」ということ。これまで私が目にした彗星は、ぼんやりとした丸い姿で、ここまで明るく、尾をたなびかせるものはありません。空に尾を引く彗星の姿…それをこの肉眼で見ることができたら、どんな風に感動するんだろう!自分がまだ経験したことのない感情に出会ってみたい…そう思っていました。

そして2つ目の理由は、彗星の周期。その周期が長いほど、「この彗星が前にやってきたときは、どんな地球を見たんだろう」と、彗星と対話をしてみたい気持ちになります。宇宙の「旅人」である彗星。今回も時空を超えて宇宙を旅してきたネオワイズとそんな話をしてみたいと思いました。

そしてようやく梅雨が明けた7月30日。再びチャレンジできそうなタイミングがやってきました。すでにネオワイズはすっかり暗くなっていましたが、それでも私は、双眼鏡を手に北西が開けたある港へと車を走らせたのです。

とにかく彗星に会いたいと夢中になる気持ちは、まるで恋をしているかのよう。当初の願いであったその姿を肉眼で見ることは叶わなかったし、月明かりに照らされた夜空では尾も短く薄くなっていましたが、間違いなくそこにネオワイズは佇んでいました。

次にネオワイズに会えるのは6000年後

双眼鏡を覗いて「あった!」「あれだ!」とひとりごちる私の姿は、港で犬を散歩させるおじさまには奇異に映ったかもしれません。でもやっぱり天文現象を自分の目で見るということは最大にテンションがあがります。

ネオワイズが以前やってきた6000年前、日本は縄文時代。地球全体で見ても人類が少しずつ文明を開いているような時代でした。

そして今回、久しぶりに地球に近づいたネオワイズが見たのは、コロナ禍で人々が悩み、困惑する姿。もしかしたら宇宙から心配そうに見つめていたのかもしれません。

では6000年後、次にネオワイズがやってくる頃の地球はどうなふうになっているのでしょうか。ますます文明が発達し、今以上に便利な世の中になっているかもしれません。もしかしたら、「彗星をすぐそばで見られる宇宙ツアー」などがおこなわれているかもしれません。

それでも今よりは人々が平和で、安心して夜空を見上げられる地球であってほしい、そう思います。

コロナ禍で明るいニュースが乏しい中、私たちを楽しませてくれたネオワイズ彗星。

本当にありがとう。

そしていってらっしゃい!