「夕星」に思う

9月に入って1週間。少しずつ夜の訪れが早くなってきましたね。着実に季節は秋へと向かっています。

秋といえば「スポーツの秋」「読書の秋」「食欲の秋」など、何をするにも良い季節ですよね。

私は昔から古文(特に平安~鎌倉にかけての文学)を読むのが好きで、学生時代はありきたりですが「源氏物語」を学ぶゼミにいました。現代語訳されたものはもちろん、古文のあの雰囲気が好きなので、今でも時折、原文のまま読んだりしています。

清少納言の「枕草子」に星のお話が登場しているのをご存じの方も多いと思います(*^_^*)

「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばい星、すこしをかし。尾だになからましかば、まいて」

清少納言が夜空を見ていて、美しいと思った4つの星が挙げられています。「すばる」は言うまでもなく、おうし座にあるプレアデス星団。「ひこぼし」は、夏の大三角のひとつ・アルタイル。「ゆふづつ」とは「夕星」、つまり「宵の明星」である金星。そして「よばひ星」とは「流れ星」もしくは「彗星」を指すという説がありますこれに関しては、「尾っぽがなかったら、もっといいのに」という注文付きです(笑)

どれもピックアップしたい星たちですが、今日は私が思わぬところで出会った「ゆふづつ」についてお話したいと思います。

「ゆふづつ」-つまり金星は「宵の明星」「明けの明星」でおなじみです。地球の内側(太陽寄り)にあるため、「内惑星」と呼ばれています。その美しい姿から、美の女神「ヴィーナス」の名がついており、キラキラ輝く姿はまばゆいばかりです。

実は先日、九州国立博物館に東山魁夷の絵を見に行ってきました。(ザンネンながら、公開は8月28日までだったので、現在はやっていないのですが・・・)私は、絵画についてはそんなに造詣が深くないのですが、自然の美しさに向き合った東山魁夷の絵は好きで、公開前から楽しみにしていました。

が、行けたのはなんと最終日・・・

駐車場に入るまでがすごい渋滞で、時間も夕方近くだったので、入館できるかどうか(16:30最終入場)かなりドキドキ(>_<)

 

何とか入場し、人混みに押されるように見たのですが、ある1枚の絵の前で足が止まりました。「夕星」というタイトルの絵です。

 

(九州国立博物館HPより)

これはどこかの風景を描いたものではなく、夢の中に出てきたものだと彼自身が語っていたそうなのですが、この風景のあまりの静けさと幽玄さに、私の周りまで静まりかえったような気がしました。夕方、白く光る金星の姿が、魁夷の心をとらえていたのでしょうか。

この絵が彼の絶筆となりました。

人が星を見るとき、その心情はさまざまです。

良いことがあった時は、ぴっかぴかの星。孤独を噛みしめる時は、しんしんと光る星。迷いを感じている時は、ゆらゆらと揺れる星。

このとき、魁夷は何を感じて、金星を見たのでしょう。

そして、あなたは今日、どんな気持ちで星を見上げていますか?

 

時には、自分の心を対話しながら、星を見上げる時間も必要かもしれませんね(^_^)

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